Fire TVとFire TV Stick。通常価格では4,000円の価格差となりますが、どちらを購入すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、私が使用のFire TVと家族が使用のFire TV Stick、双方を使用している立場から機能・レスポンスなど双方の相違を記載しました。なお、本記事は過去記事のまとめ的な位置づけとなり、多くは過去記事から引用しています。
目次
スペックの相違
まずは、Fire TVとFire TV Stickのスペックの相違です。Fire TV 2017モデルは4K・HDR対応となりますが、ここでは割愛しています。
なお、参考までにFire TV / Stickの旧型のスペックも併載しています。私はFire TV Stick 旧型も所有しているのですが、Fire TV / Stick 2017モデルと比較するとレスポンスがかなり悪く、発熱もすごいため、Fire TV / Stick 2017モデルへの買替を強くおすすめします。
「Fire TV / Fire TV Stick、新旧4モデルのスペック比較とStick 新型の使用感」でも掲載していますが、参考までに、Android向けのベンチマークアプリ「Geekbench 4」で計測したベンチマークスコアです。手元にあるFire HD 8と一部のAndroid端末のスコアも併載しています。
Single-Core | Multi-Core | |
Fire TV Stick 旧型 | 340 | 398 |
Fire TV Stick 新型 | 431 | 1141 |
Fire TV 2017 | 643 | 1710 |
Fire HD 8 | 612 | 1617 |
NEC TE507/FAW | 504 | 1307 |
Nexus 5 | 859 | 1764 |
▲NEC TE507/FAWは1万円台後半の7インチタブレットとなりますが(NEC TE507 半年使用後の再レビュー、コンパクトさと程よいレスポンスは今も格別)、そのタブレットよりもFire TVのベンチマークスコアは勝っており、Fire HD 8とほぼ同スコアとなっています。
さて、2017モデルのFire TV / Fire TV Stickのスペックにおいて、ポイントとなる事項は以下です。価格が異なるため、Fire TVが優位であることは当然なのですが、ご参考まで。
- Fire TVとFire TV Stickは同じ4コアのCPUでも別物。Fire TVはFire HD 8と同等のベンチマークスコアであり、後述のレスポンスもFire TV Stickより優位。
- Fire TV Stickのメモリ 1GBに対して、Fire TVは2GB。スマホと同様にFire TV / Stickでもバックグラウンドで多くのアプリが稼働しており(詳細は以下のリンク先記事を参照)、メモリ 2GBのFire TVが優位。
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機能の相違
Fire TVが4KとHDR対応であることを除いては、Fire TVとFire TV Stickに大きな機能の相違はありません。一方、Fire TV Stick 旧型は以下のUSB OTGに対応しておらず、機能的に劣ります。
Fire TV、Fire TV StickともにUSB OTGに対応
Fire TV、Fire TV StickともにUSB OTG (USB On-The-Go)に対応しており、例えば以下のような使い方ができます。
▼イーサネットアダプタを利用して有線LAN接続
▼非公式な使い方となりますが、電源ケーブルさえ確保できれば、USBハブ、USBハブ付有線LANアダプターが利用できます。私はFire TVにて安定稼働しています。
Fire TVにはミラーリングの項目がない
Fire TVの留意事項として、Fire TV Stickでは設定画面に「ディスプレイミラーリング」の項目があるものの、Fire TVにはありません。これは以下のとおり、Fire TV StickのOSがFire OS 5であるのに対し、Fire TVはFire OS 6となり、Fire TVが最新のOSにもかかわらず、ミラーリングの項目が省略されています。
上記により、Fire TVでのミラーリングは外部アプリ「AirReceiver」での対応となります。
- Fire TVにはデフォルトの「ディスプレイミラーリング」の項目はなく、外部アプリを利用する必要あり。
- その他の機能は、Fire TV / Fire TV Stick間に機能の相違はありません。
冷却対応は同等
Fire TV Stick 旧型は使用していると本体がかなりの熱を帯び、何度か電源が落ちたことがあるのですが、Fire TV / Fire TV Stickは本体にほんのりとした温かみを感じる程度です。
これは以下の写真のとおり、双方ともに大きなヒートシンクを備えているためです。私はFire TV / Fire TV Stickともにヒートシンクを追加していますが、追加のヒートシンクがなくてもよいとの判断です。
▼上から順にFire TV Stick 旧型、Fire TV Stick 新型、Fire TV 2017モデルの内部構造。シルバーのものがヒートシンクです。
Fire TV Stick 旧型は本体を触れないほどに熱くなるのですが、Fire TV Stick 新型、Fire TV 2017モデルの冷却効果は高く温かみを感じる程度です。基盤の関係でFire TV Stick 旧型は発熱しやすくなっているのかもしれません。
▼私は、Fire TV / Fire TV Stick 新旧型ともにヒートシンクを追加していますが、Fire TV Stick 旧型以外は追加のヒートシンクは必要なし、より安心感を得るためなら追加とのスタンスです。
体感レスポンスの相違
では、最後に体感レスポンスの相違について記載します。私が所有するFire TV、Fire TV Stick 新型、Fire TV Stick 旧型との比較では、順当にFire TV、Fire TV Stick 新型、Fire TV Stick 旧型の体感レスポンスの順となります。
Fire TV Stick 旧型とFire TV Stick 新型を比較した場合には、Fire TV Stick 旧型のモッサリ感がほぼ解消。旧型では起動直後でもない限りは、ホーム画面の遷移なども待たされ感があるものの、新型では解消され、Fire TVとなるとさらに加速。具体的には以下となります。
- Fire TVのメモリ 2GBの恩恵か、Fire TV Stickではある程度のアプリを使い込んでいくと、Fire TV Stick 旧型ほどではないものの、ホーム画面の遷移や画像表示でわずかに待ちの状態となることがあるのですが、Fire TVにはそれがありません。
- CPU、メモリ双方の要因かと思いますが、Fire TVは画面遷移・アイコン表示・アプリ起動ともに実にキビキビとしています。
- 例えば、私の利用範囲でやや重めの処理として、ESファイルエクスプローラーを利用したファイルのコピー・移動がありますが、この処理がFire TVではほぼストレスなく行うことができます。ちなみに、Fire TV Stick 旧型での同作業では実用的ではなく、Fire TV Stick 新型ではイライラしない程度に操作できます。
まとめ
通常価格での価格差4,000円のFire TVとFire TV Stickですが、Fire TVが4K・HDR対応であることを別にしても、パフォーマンス重視ならFire TV 。ただし、動画視聴に際してはレスポンスは全く変わらないため(レスポンスが異なるのも妙ですね)、ホーム画面の遷移・アイコン表示などが僅かに遅延することがあっても差し支えない、大量のファイルコピー・移動などの込み入ったことをしない場合には、Fire TV Stickで十分です。
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