我が家の大学受験生に、「英語の長文を1日1つ読むとすると、何がいい?」と問われ、答えたものが「天声人語」の英文対照版。私が受験生であった約30年前に、当時 高校の図書館にあった10冊程度を読破した記憶ですが、その天声人語のコラムが、都内の某私立大学の国語の試験に出題されたり、英文のスラッシュ・リーディング(英語学習、昔懐かし東京SIM外語研究所~スラッシュ・リーディング)の題材として利用したり、私にとっては思い出深いものです。
本日は、この天声人語の英文対照版を、約30年振りに手にしましたのでご紹介です。
目次
天声人語・英文対照版の構成など
▼近所の図書館にもなく、また 1,944円と高価なため中古を購入しました。
本の帯での記載内容を、ポイントのみ引用すると以下となっています。私が受験生の約30年前から言われており、当時 私が影響を受け10冊程度を読破した要因が、1の「大学入試対策」として利用価値があること、そして3の「日本語能力があれば、英語力はもっと伸びる」の2点です。
- 大学入試対策・就職活動に必携
- 時事英語学習に最適
- 日本語力があれば、英語力はもっと伸びる
本の構成は以下のとおりです。
- 1コラムが3ページに掲載
- 最初の2ページの上半分が日本語、下半分が英語
- 3ページ目は、英語の訳注を主としたもの
そして、本の帯を引用しつつ、私が良いと思うところは以下のとおりです。
大学入試対策としても利用価値がある「天声人語・英文対照版」
「天声人語」はご存知のとおり朝日新聞の1面コラムですが、名前は違えど1904年1月5日に初めて掲載されて以降、100年以上続く継続しているものです。
「天声人語」の語彙数は603字。その時々のニュースなどを、プロの記者が603字の限られた字数で、まとめています。当ブログでの文字数は、少なくとも1記事あたり1300字以上とダラダラと記載しているのですが、「天声人語」の場合(当ブログと比較するのも甚だ失礼ですが)、字数が限られていることもあり、その語彙も適格に激選されており、また、日々の動きを、練りに練った文章にて603字での編集であり、短時間で良い文章を読むには最適なものです。
なお、朝日新聞公式サイト(Dr.林修が大学受験の悩みに応る、http://info.asahi.com/admissions/campaign/)によると、2016年度大学入試における朝日新聞・天声人語の出題数は以下とあります。
- 新聞から出題された入試問題のうち、朝日新聞は新聞全体の48%を占める。
- 朝日新聞からの出題数のうち、24%が天声人語のコラム。
- 入試問題づくりは、夏から秋にかけて(?)のため、5月~9月の新聞記事が多く出題される傾向に。
▼「天声人語」の効能、「天声人語」を利用した文章力のアップは、以下のサイトがわかりやすいです。
1日1分。「天声人語」「編集手帳」で文章力を身に付ける | Study Hacker
天声人語・英文対照版の利用について
上記のとおり、大学入試での出題数が高く、また、洗練された文章であるからこそ、読解力・要約力・文章作成能力などのアップのために「天声人語書き写しノート」なるものも販売されているほどです。この天声人語を英語の勉強に利用しない手はないですね。
英文対照版の利用方法は多々あるかと思いますが、事例としては以下があげられます。ただし、大学入試用ではないため、難解な単語も文章に含まれています。
総仕上げ的な読解資料としての利用
文法・単語・熟語、大学入試向けの教材などを一通り仕上げた後に、総仕上げ的な読解の教材として利用すべきかと思います。なかには、学術的な単語・大学入試では出ないような難解な単語もあるため、細かい事項にこだわらず、日本語を参照しつつ読み進めるとよいのではないでしょうか。
約30年前と大昔のことで恐縮ですが、私が受験生の頃は、このように(日本語を参照しつつ読み進める)対応しました。ペーパーバックやニューズウィークまで手を出したのですが、この天声人語・英文対照版がレベル的にも適格でした。
スラッシュ・リーディングの教材に利用
前述のとおり、「日本語を参照しつつ読み進める」一方で、専門的ではない身近なコラムについては、スラッシュ・リーディングによる速読速解用として利用しました。
スラッシュ・リーディングを行うにあたり、元が日本の文章・日本の話題のため、とても理解しやすかった記憶があります。日本の近々の話題のコラムだからこそ、スラッシュ・リーディングを行う際に、次にくる語句・文章を予測しやすいですね。
英文の書き写し用の教材として
天声人語の書き写しが、読解力・小論文などに効果があるとのことですので、英文の書き写しもまた然り。どうせやるなら、日本語・英語の双方の書き写しを行い、日本語・英語双方の能力を高めるのも有効ですね。私が受験生の頃には、このような発想はなかったのですが、我が家の受験生にすすめてみます。
日本語力があれば、英語力はもっとのびる
よく言われているとおり、日本語力と英語力は表裏一体。いくら英語の語彙を知っていたところで、日本語で理解できない文章を、英語で理解するのは困難です。
私は仕事上、英語でメールを読み書きしており、また、それなりの年齢となったため、若い方の英文メールの添削も行っているのですが、やはり日本語で説明・理解できない方は、英作文・日本語訳もイマイチなもの。仕事上で英作文する場合には、ネットでいくらでも語彙や文例があるのですが、文章の構成力が弱いケースが多く、「日本語力があれば、英語力はもっとのびる」ことを痛感しています。
この点において、前述の「天声人語を日本語・英語の双方で書き写す」ことは、受験生のみならず、就活生・社会人にも共通して有益なものであるはずです。
まとめ
息子が受験生であるために、私が受験生であった約30年前に使用していた「懐かしのバイブル的な教材」を再認識することが多くなってきています。本日紹介の「天声人語・英文対照版」もその1つですが、元となる天声人語が洗練された文章であるからこそ、この英文対照版は大いに利用すべきです。流し読みで大枠をとらえる、書き写して詳細を理解する、スラッシュ・リーディングで速読速解用として利用するなど、いろいろな活用方法があります。
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